2008年02月11日

臨床アドバイザー:きたむらあやこ先生:ヘルスコーチ・ジャパンに期待すること

きたむらあやこ先生
 わたしは20年以上にわたる長い間、精神病院に勤務する精神科医でした。対象は統合失調症の患者さんであり、人間が「狂う」という極限の状態に寄り添う日々でした。

 その後、心療内科の開業医に転身したわたしは、ごく普通の社会生活をしている学生や主婦、会社員の方を診察するようになりました。メンタルヘルスに関心を持つようになったのは、開業してからです。

 医師は当然ですが、病気の人を診ます。でもどんなに重症の方でも、当たり前ですが人間です。重症の方の精神力動も、わたしたちが持っている心の深部や精神力動もまったく同じです。病気の重い人は、人間の持つ心の闇を極端に見せてくれているだけです。精神病を患った方たちと接していると、わたし自身のこころもまた、自分に正直になれるのは、心は誰も同じだからだと思う。からだを張って戦っている人を前にしたら、誰でもそんな気持ちになると思います。

 さてそうやって長年にわたって重症の人と関わってきたわたしは、ごく普通の人が訴える、一見したら軽い症状の中にも、深い心の闇を見ることもできるようになりました。また本当に健康的だと思える人の心だって、異常の部分や病的な部分があって、むしろそのことのほうが自然なのだと思えるようになりました。
たとえば今、元気な人がいたとします。毎日24時間、一生の間、元気でいることが正常でしょうか。それが自然でしょうか。目的でしょうか。
そうではないと思う。
元気なときもあり、元気の出ないときもあり、軽いうつ状態になる時期もあり、また意欲的な時期がある。そのほうがよほど自然です。それが「生きている」ということです。
元気で健康的な心を作ることだけが目的なのではなく、自分のどんな心をもいとおしみ、味わい、結果として生き生きとした味わい深い人生を送ることができると思います。

 メンタルヘルスのお仕事に関わる人たちに、そのことを伝えたい。それは精神科医のわたしにしかできないことだと思っています。
今回そんな機会を与えられて、本当にうれしく思っています。

【きたむらあやこ先生の略歴】

滋賀県生まれ。金沢大学医学部卒。弘前藤代健生病院勤務。石川県立高松病院勤務。
金沢市内で神経科クリニック開業。大阪市内で心療内科クリニック開業。現在は諏訪赤十字病院や諏訪中央病院などで診療にあたる。著書に「こばやしあやこ心療クリニックにようこそ」(若草書房)「わが子の気持ちがわからなくなる前に読む本」(学陽書房)がある。



healthcoach at 12:47アドバイザー  この記事をクリップ!
ヘルスコーチ・ジャパンロゴ


NPO法人ヘルスコーチ・ジャパンの公式ホームページはこちら
公開講座スケジュール
講座の開催スケジュールや、ヘルスコーチ・メンタルコーチに関する情報をお届けします。
ヘルスコーチ・メンタルコーチについて
ヘルスコーチ養成コース
メンタルコーチ養成コース
認定トレーナー養成コース
コース一覧
ヘルスコーチ・ジャパン認定資格一覧
QRコード
QRコード
  • livedoor Readerに登録
  • RSS
  • livedoor Blog(ブログ)